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基礎物性

基礎物性: 研究
偏光顕微鏡.PNG

結晶構造

 高分子は結晶化の際にしばしば球状の結晶(球晶)を形成することが知られています。球晶の形成機構やモルホロジーについてはこれまでに多くの研究がなされてきていますが、まだ解明されていないことは多く、いまだにホットな研究テーマです。

 たとえばポリトリメチレンテレフタレート(PTT)は、化学構造の上ではポリエチレンテレフタレート(PET)より-CH2-が一つ多いだけですが、その結晶構造や物性は大きく異なっています。PTTは直径数100μm以上の大きなサイズの球晶を形成可能で、PETでは通常観察されない次のような興味深い性質を示すことが知られています。
  ・同心円状のパターンを持つバンド球晶を形成
  ・球晶の複屈折が大きい

 当研究室ではこのPTTを用いることにより、球晶のモルホロジーや複屈折に関する研究を行っています。たとえば、PTT球晶の複屈折が大きいことはすでに述べましたが、一方でPTT繊維では複屈折が非常に小さいことが報告されています。球晶と繊維における複屈折の大きな差異を単位格子の向きの違いから説明できることを示しました。
 

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